sign128_128会社の経営者として気になる問題は「法人カードと経費申請」の関係です。税理士から口酸っぱく、「領収書がないと経費にならないよ。」と言われて続けている経営者の身になってみると、不安になってしまうものですが、実際に法律との観点から、経費申請と領収書の関係を解説します。

そもそも経費精算に領収書はいらない事実!

えっ、と思われるかもしれませんが、消費税法を見てみると

(仕入れに係る消費税額の控除)第三十条

9  第七項に規定する請求書等とは、次に掲げる書類をいう。

一  事業者に対し課税資産の譲渡等(省略)を行う他の事業者(省略)が、当該課税資産の譲渡等につき当該事業者に交付する請求書、納品書その他これらに類する書類で次に掲げる事項(当該課税資産の譲渡等が小売業その他の政令で定める事業に係るものである場合には、イからニまでに掲げる事項)が記載されているもの

イ 書類の作成者の氏名又は名称
ロ 課税資産の譲渡等を行つた年月日(省略)
ハ 課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容
ニ 課税資産の譲渡等の対価の額(省略)
ホ 書類の交付を受ける当該事業者の氏名又は名称

と書かれています。

つまり、ここでは「領収書」なんて文字は一言も出てこないのです。

「請求書、納品書その他これらに類する書類」

であれば、良いのです。

しかし、レシートやカード利用控えには、「イ」「ロ」「ハ」「ニ」は書いてありますが、「ホ:書類の交付を受ける当該事業者の氏名又は名称」がかかれていません。

「じゃあ、領収書じゃないとダメじゃん。」

と思ってしまいますが

第四十九条では

小売業、飲食店業、写真業及び旅行業
道路運送法に規定する一般乗用旅客自動車運送事業
駐車場業
上記に準ずる事業で不特定かつ多数の者に資産の譲渡等を行うもの

の場合には、「ホ:書類の交付を受ける当該事業者の氏名又は名称」が要らないことになるのです。

経費申請という意味であれば、ほとんどこの小売業・一般乗用旅客自動車運送事業・駐車場業に該当するので、ほとんどのものは「レシート」や「カード利用控え」で良いということなのです。

そもそも、法律上は「領収書」という言葉自体が出てきていないのです。

これは法人カードを利用する、しないは関係ありません。現金で商品を購入したとしても、「レシート」や「カード利用控え」で良いのです。

カード利用控えと法人カードの明細書の経費申請の違い

結論から言うと

  • カード利用控え → 領収書の代用として認められる
  • カード利用明細 → 領収書の代用として認められない

ということになります。

タックスアンサーを見てみると

カード会社からの請求明細書

【照会要旨】

法人カードを利用している場合には、カード会社から一定期間ごとに請求明細書が交付されますが、この請求明細書は消費税法第30条第9項《仕入税額控除に係る請求書等の記載事項》に規定する請求書等に該当するのでしょうか。

【回答要旨】

クレジットカード会社がそのカードの利用者に交付する請求明細書等は、そのカード利用者である事業者に対して課税資産の譲渡等を行った他の事業者が作成・交付した書類ではありませんから、消費税法第30条第9項に規定する請求書等には該当しません。 しかし、クレジットカードサービスを利用した時には、利用者に対して課税資産の譲渡等を行った他の事業者が、「ご利用明細」等を発行しているのが通常です。 この「ご利用明細」等には、1その書類の作成者の氏名又は名称、2課税資産の譲渡等を行った年月日、3課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容、4課税資産の譲渡等の対価の額、5その書類の交付を受ける者の氏名又は名称が記載されていることが一般的であり、そのような書類であれば消費税法第30条第9項に規定する請求書等に該当することになります。

【関係法令通達】

消費税法第30条第7項、第9項

タックスアンサーに書かれている「クレジットカード会社がそのカードの利用者に交付する請求明細書」は「毎月送られてくる利用明細書・ウェブ明細」のことです。

これはカード会社が請求した証明・内訳であって、商品を販売した事業者が作成した書類ではないので、ダメです。

ということになっています。

タックスアンサーに書かれている「ご利用明細」は「カード利用控え」のことです。

本屋で本を法人カードで買った場合に、本屋が発行した「カード利用控え」であれば領収書の代わりに利用できますが、クレジットカードが発行する利用明細は本屋が発行するものではないので領収書の代わりにならない。

ということなのです。

タックスアンサーの表記がややこしいのですが

  • カード利用控え → 領収書の代用として認められる
  • カード利用明細 → 領収書の代用として認められない

ということになります。法人カードを利用するときには覚えておく必要があります。

まとめ

法人カードの利用の有無にかかわらず

経費として仕入れをする場合には

  1. 領収書
  2. レシート
  3. カード控え

のどれか?があれば、税務上経費として認められることになります。

注意しなければならないのは

クレジットカード会社から来るカード利用明細書(ウェブ明細書)だけではダメ

ということです。

ただし、これは税理士や税務署の担当者によっても見解が分かれるところです。「実際にカード利用明細でも経費として認められた。」という方も複数名います。たしかに経理処理というのは経営の実態をチェックするものですから、発行主体がカード会社であろうとそれを意図的に加工することができないのであれば、十分な証拠になるとも考えられるからです。

当サイトでは、あくまでも確実に経費として税務署に認められるにはという視点で記載しているので「利用明細ではダメ」と書いています。気になる方は、税理士に確認してみると良いでしょう。

仕入た商品の金額が経費にならなければ、税金上大きな損失になってしまうので、注意したうえで法人カードを使いましょう。